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エコール薬院

title. 部屋はこのままで。
使い方は入居者が決めます。
エコール薬院 (中央区・薬院)

エコール薬院

天神徒歩圏内におしゃれなショップや隠れ家的な飲食店が密集する、人気の薬院エリア。その中心を貫く薬院大通り沿いに、築40年超の〈エコール薬院〉はあります。恵まれた立地にありながら、長年の「任せきり体質」によって一時は荒み切ってしまったこの物件。いま、その再生に向けた新たな取り組みが、次世代オーナーとNEWVILLAGEによって始まっています。

三好剛平 〈三声舎〉
当初、物件はどんな状態でしたか?
島さん

妻の両親からこの物件を引き継いだ時には、管理と仲介は地元の不動産屋さんに任せきりという状態でした。義父の看病もあり、当時住んでいた東京と福岡の往復回数が増えたため、まずは妻が両親の物置代わりだった7階の部屋に住み始めました。すると、清掃の行き届いてなさや荒んだ雰囲気など、改めていろんな実情が見えてきました。「このビル、一体どうなってるの?」と。

そこでまずビル管理を当時の不動産屋さんから、一部屋あたり数百円で管理を行う地元の格安管理会社に乗り換えました。とはいえ一番の懸念事項は、仲介です。どうすれば人に入ってもらえるか。この点は色んな不動産屋さんを当たってみても、正直どこもこれまでと大差なく、お手上げ状態でした。

また当時の僕たちは、不動産経営の知識をまったく持ち合わせていませんでした。どうすればこのビルを改善できるのか。空室はどうやって埋めるのか。リフォームも幾らくらいが相場かも分からない。何もかも不動産屋さんに任せきりだったので、そもそも「自分たちで何かが出来る」ことすら分からないわけです。

かなり苦しい状況だったんですね。
島さん

そんなある日、平尾村(※1)の喫茶店で何気なくそんな話をしてみると「そういうことなら、良い人がいますよ」と紹介されたのが、新村さんでした。気になって、お会いする前に色んなオーナーさんやテナントさんをめぐって探りを入れてみたんですが、どこでも信頼の口ぶりで新村さんの名前が挙がる。驚きました。

また、実際に新村さんが手がけた物件を見て回るうちに、自分たちのビルをどうしていけば良いか、なんとなく分かってくるような感覚もありました。例えば平尾村なんて、入り口に看板も無い、細くて奥まった場所なのに、テナントさんもお客さんも不思議と良い雰囲気なんです。建物が古くても、心ある人たちを集められたら、そこにちゃんと良いお客さんもついてくるのかも、と思いました。

※1 平尾村

西鉄平尾駅から歩いてすぐ、古民家を改装したお店が立ち並ぶエリア。
NEWVILLAGEが入居者をコーディネイトし、その多くが人気店として注目を集めることに。

エコール薬院
実際に新村さんとお会いしてみて、いかがでしたか?
島さん

まずは管理と仲介という、2つの大きな不安事について相談しましたが、新村さんのお答えは「管理はご自分たちでも出来ますよ」でした。そして「良い人さえ入れば、ビルは必ず良くなります」という点でお話は一貫されており、「じゃ、僕が探しましょうか」と仰っていただいたのが、スタートでした。

手始めに当時リフォームを済ませたばかりの空室をお見せしたのですが、新村さんは部屋の内見もそこそこに、「他の部屋も見せてください」と仰る。そこでまだリフォーム前でぐちゃぐちゃだった別階の空室をお見せしたのですが、新村さんはそれからほどなく、まずそのボロボロの2部屋の契約から決めてこられたんです。

すごいですね。一体何が起きたんでしょうか?
島さん

新村さんが、手付かずのその部屋・その環境自体を面白がれる人を連れてきて下さった、ということです。新村さんが「部屋はこのままで良い。リフォームはお金もかかるし、使い方は入った人が決めるでしょう」と仰られたときには、驚きました。

僕たちのような築古物件が入居を募りたいとき、普通の不動産屋さんならまずオーナーに部屋のリフォームやビルの大型改修を負担させ、以前より少し高めの家賃に設定して部屋を埋めようとします。それでも入居が決まらないと、結局家賃を下げることになり、リフォーム分の費用さえ回収できない。そもそも物件が古いから、家賃を上げられたとしてもせいぜいプラス1万円かそこらみたいな世界です。

また、僕たち自身で最初の1部屋をリフォームしたときも、不動産の素人である自分たちが、工務店さんからの「この壁は何色にします?」「天井はどうします?」といった質問に、分からないなりに必死で答えて、ただかたちにするしかない状態でした。その結果出来上がる部屋は、当然、今のトレンドにも入居者のニーズにも合ってないものに仕上がっていたんですね※2。

※2

実際この部屋はその後、入居者決定後に再度のリフォームが必要となり、
一度目のリフォームがまったく無駄になってしまったことも、島さんの忘れがたい教訓となったそう。

新村さんにはこうした無駄を回避できる、「誰かに借りてもらって、自分たちで使いやすい部屋にしてもらう」という手段を教えてもらいました。その入居者は新村さんのフィルタリングを通して選ばれる人たちであることも安心材料でした。

空き室の改装前の状況
空き室の改装前の状況
新村さんは入居者をどんな風に決められましたか?
新村

この物件では入居者の一般公募をせず、頭の中でどなたにご案内するか、ピースをハメるようにして決めていきました。声をかけられた側も、まだ表に出てない物件だから興味を持ってくれますし、「その人にとって」すごい穴場だと面白がってもらえそうな人を、狙い撃ちできるようにしています。人さえただしく入れ替えられれば、ビル全体の立替えみたいな「大手術」は必要ないと思いますね。

また、入居者に対しては、部屋をどの状態でお渡しするかで家賃を変動させるやり方を取りました。ベースの家賃に加えて、入居者側で解体から改装までやるならこの金額、こちらで要望に応じたリフォームを負担する場合にはこの金額、という感じです。

入居者の選定って、そんなにうまくいくものですか?
新村

この物件では、ビルのテーマを決めることがポイントでした。はじめて島さんとお会いした時、ビル名の由来をお聞きすると、お義父様がもともと学校の先生で、フランス語でエコールは学校という意味だと教わりました。それなら、新生・エコール薬院は、教室や学びに関わる人たちに入居してもらうのはどうですか?と提案したら、それいいね、と。だから今、教室もやっているお菓子の工房やヨガスタジオが入っているんですね。

ビル名をつけられたお義父様のことを想像してみると、建てた当時にはきっとこんな風に社会に貢献したい、という想いがあったはずなんですよ。ただ無闇にビルを建てる人なんていないので。それがいつの間にか「入居者を埋めないと」にすり替わるところから、おかしくなるんですね。だからこそ今、このビルはどうすればもう一度社会とリンクできるかを第一に考えました。それが出来れば、単なる入居者とビルオーナーの関係を超えた関係も生まれやすくなります。

ヨガスタジオ  studio haku / 5F
ヨガスタジオ studio haku / 5F
菓子工房 KUKKA pienet kaupat / 5F
菓子工房 KUKKA pienet kaupat / 5F
島さんはその後、新村さんとどのようにビル改革に取り組んでいきましたか?
島さん

本当にひとつひとつ、相談させてもらいました。お客さんからのクレームも、どう答えたら良いですか?という具合で確認していきながら、徐々に僕らも管理の仕方を覚えていきました。

当時の格安管理会社は、面倒を引き受けるのはコスパが悪いから、クレームが発生するといつでもお客様の立場から僕らを「説得」してくるんですよ。それでは僕らばかりに負担が集中するし、なぜ管理会社を入れているかも分からない。

それもあって、自主管理への移行を真剣に考え始めました。僕らは管理者ビギナーでしたが、いつでも相談が出来る新村さんがいてくださることが、決断の後押しになりました。

こうして当初抱いていた管理と仲介の不安に解決の目処が立ち、それまでの不動産屋さんへの丸投げ体質からついに脱却することができたんです。

エコール薬院
これをお読みになる管理者ビギナーに代わってお尋ねしますが、実際に自主管理をやって、難しい点はありますか?
島さん

いや、正直全部難しいです。振り返ってみても独力だけで自主管理を始めるのは絶対にムリだったなと思いますが、新村さんのように何でも聞ける人がいれば、それは克服できます。実際、新村さんは相談内容に応じて、司法書士さんや弁護士さんにまで確認をして答えてくださるんですよ。

通常の不動産屋さんなら、その相談のプロセス自体にも別途のお金が発生しかねない業務ですが、なぜ新村さんはそこまで伴走されるのでしょうか?
新村

それは、そこに「新しくお部屋が生まれる可能性」があるからです。僕からすると、オーナーは新しいお部屋というコンテンツを与えてくれるサンタクロースみたいな人なんです(笑)。お部屋を預かって、次の入居者さんを想像しながらどんな面白いことを起こせるだろうかと考えるのが僕の楽しみであり仕事なので、そんなサンタクロースをお金で買うわけにはいかないじゃないですか(笑)。

島さん

僕らが管理の対応力や契約の知識を向上させていくと、ビル管理の精度も上がり、入居者の方ともお互いにより長く、気持ちよくお付き合いできるようになります。これは地元の不動産屋さんへの丸投げ時代には絶対生まれなかった循環だと思います。

エコール薬院
お二人の互いに与え合う関係が、仕事の成果にまで循環していますね。
島さん

さらに、これから自主管理の効率と精度を上げたくて、僕らも顧問弁護士を雇うことにしました。シビアな法的課題は、ズバッと解決案を伺いたくなる場面が多いこともわかってきたし、自分たちのビルをもっときちんと運用したい思いが一層強まった現れだと思います。

新村

自主管理によって浮いた管理費用を、弁護士料へ充てることで自分たちのノウハウをさらに蓄積する。良いご判断だと思います。

ビルの中では、どんな変化が生まれてきていますか?
島さん

一番分かりやすいのは、挨拶ですね。挨拶は、侮れません。挨拶しない人が増えると、やっぱりビルの雰囲気も悪くなっちゃうんですよ。

うちのビルの駐輪スペースは、一時は不要になった自転車や部外者の自転車が放置されて困っていたんですが、挨拶が生まれるビルになってからは、不思議と無くなっていきました。当初は駐輪禁止の看板や居住者専用ステッカーなども考えましたが、新村さんからはそういうのはやめた方が良いですよ、と言われたのもあり、変化を見守っていました。するとある時期から本当に、自然治癒力のように止まったんですよね。

新村

空気がよくなったんでしょうね。ルールって、作れば作るほどダメになるんですよ。そうではなく、なるべく良い人が集まるようにさえ出来れば自ずと場も整っていくということを、この一件が証明してくれたと思います。

島さん

清掃も、妻が自分でやり始めたら、色んなことに気付くんですよね。ここの窓ガラスが割れてたな、とかいう基本的なことから、徐々に階段の電球は別の色で統一した方が夜に外から見た感じも良くなるな、とか。自主管理のなかで、気づいたことからちょっとずつ良くする取り組みを重ねていくと、確実にビルの中の雰囲気は変わっていきましたね。

清掃が行き届いた共用廊下
清掃が行き届いた共用廊下
自転車置き場
自転車置き場
OFFICE comogomo / 6F
OFFICE comogomo / 6F
確実な変化を実感できる。これは手応えがありますね。
新村

もっとも、これはオーナーさんにもよりますね。誰もがこれをできるかといえば、そうでもないと思います。

島さん

たしかに、僕らも雰囲気が良くなった手応えを実感できるまでに、2年間はかかりました。ただ、僕らが新村さんと出会って気付けたように、「自分たち自身でも変えられるものがある」ことを知れば、他にもチャレンジしてみたいという人は、きっと出てくると思います。

島さんは、今後どのようなことに挑戦されたいですか?
島さん

具体的なことを言うと、相続や経営の分野ですね。既に41年経っているこのビルを売り払わず、今後も持続的に経営していくにはどうしたら良いかという課題に、きちんと取り組んでいきたい。

そうしたこともあって、僕は賃貸不動産経営管理士という国家資格を取得しました。自分のビルをプロフェッショナルとして管理できるようになりたいですし、これまで経験してきたビル管理の知見を活かして、他のビルのお困りごとの助けにもなれたらと思っています。いつか新村さんが手がけるどこかのビルで、管理部門としてお役に立てる日がきたら嬉しいですよね。

エコール薬院
泣けちゃいますね。自分が管理を通じて得た学びが、次のビルオーナーや新村さんへとまた還元されていくなんて。
島さん

僕が新村さんのおかげで身につけられた管理のノウハウを、次なる孫弟子たちへ継承していければ、いつかそれが新しい村=NEWVILLAGEになっていきますしね(笑)。

まさしく「シン」・村ですね!
新村

戦後まもなく80年ですが、いまだに不動産の業界では、旧来型のやり方が続いています。もしこれを変えようとすると、さらに数十年はかかると思います。ですが、いま小学生の子たちが家を買う年齢になった頃には、昔より買いやすくなったねとか、お店を出しやすくなったねとか言われてる風景が、僕らのゴールなんですよね。20〜30年スパンのなかで、ちょっとずつ良くし続けて、次の世代へつないでいく感覚を持っておくこと。それが出来れば福岡もなんか面白い場所だね、となるはずだと信じています。

不動産は、次から次に新しいことが起き続けて、絶対同じことが起きないのが、面白いんですよ。だからこそフォーマットに縛られずに、感覚的に進めていくしかないところはあると思ってます。それに、マニュアル化してしまうと「作業」になって面白くなくなっちゃうじゃないですか。大事なのは、面白がれるかどうか。テナントさんに言いづらいことを話に行くのも、どういう反応がくるかと思いながら踏み出せば一種のクエストになる。最悪、弁護士さんと相談しておいて、万一法的な裁判になったらどうする?という最後のラインさえ考えておけば、今の時代、不動産で怖がるものはそれほど無いと思います。

エコール薬院
ずっと実験を繰り返していらっしゃる感じですね。
新村

社会実験ですよね。あとはなんかこう、執着心をなくす。「こうあるべき」みたいなことを出来る限り解除して、いつでも「次、こんなこと起きたけどどうする?」くらいのノリで、シリアスになりすぎないことも大切です。

僕のベースにあるのは「話せばわかる」なんですよ。きちんと話せば、絶対わかる。いま、みんな話さないで解決しようとするから問題が解決しづらくなっていると思うので、まずはそういう小さな変化からでも、届けられたら嬉しいですよね。

エコール薬院

ビル名に込められた
先代の想いを指針に再生。
駅すぐそばの〈学びの場〉、エコール薬院
Yakuin Ecole Building.

〈学び〉をテーマにリーシング

先代の想いが詰まった「エコール(学校)」というビル名から「学び」をテーマに取り、教室を行う菓子工房やヨガスタジオなどをリーシング。業種は違えど、ビルのなかでさまざまな知的好奇心やQOL(人生の質)を求める人々が交わります。

入居条件は柔軟に

築古ビルの入居者探しでは、必ずしも「完成した物件」である必要はありません。信頼できる入居者を選び、彼ら自身の「やってみたい」をくすぐる自由を預けてみることで、物件の新しい可能性が見つかっていきます。

自主管理から始まる関係性

ビル管理を外注から自主管理に切り替えられたことで、テナントとの関係性も変化。困ったときにはお互いが頼り合えるような間柄になれば、これまで管理のなかで起きていた難題も、みんなで解決可能な課題に変わります。

NEWVILLAGEがリーシングしたお店

エコール薬院 (中央区・薬院) Yakuin Ecole Building.

810-0022 福岡県福岡市中央区薬院2-3-5
交通機関
薬院大通駅1出口から徒歩1分
テナント数
20
築年数・構造
築41年(1981年2月) 鉄筋コンクリート造
newvillage

テナント構成やリーシング、
運用についてお困りのオーナー様へ

Newvillage&Projectsではビル全体のリーシングやコーディネートを始めとした最適な運用計画のご提案をはじめ、相続または売却などのご相談などを行っています。築年数など問わず、お気軽にお問い合わせください。